作品紹介
- 「望まれない子」(2013)
- 「あの素晴しい愛をもう一度」(2010)
映画について
映画というのは「夢」であり、「体験」であると思います。
よく作者が、作者の言わんとしていることを押しつけてくる作品がありますが、私はそのような作品は求めません。
作品を体験した観客が、作品を楽しみつつも、作品が持つ「何か」を感じ、考えてもらえるようなモノを制作したいと願っています。
企画
映画はまず企画ありきと考えます。企画は作品を制作する上での基本ポリシーであり、決して曲げることのない一つの指標です。
また、企画というものは社会の一側面をとらえているものでなければならないと思います。
テレビ局主導のような大資本制作の映画であれば、四六時中スポットを打つ、といった形で観客を動員できるかもしれませんが(正直、このような宣伝スタイルは疑問を感じますが)、 我々のようなインディペンデントの場合、せっかく作品を制作しても鑑賞してくれる観客はどうしても限られてしまいます。
なかなか日の目を見ない作品をどうやって観客に訴えていくか?
これは、作品のクオリティが高いということももちろんだが、まず鑑賞してもらうためには観客の興味を引かなければならない。
では、どうしたら観客の興味を引くことができるのか?
すなわち、これが「企画」なんだと思います。
インディペンデントなんだから、企画はさておき撮りたいものを撮る、という姿勢に異論はありません。
しかし私は、この「企画」というものを大事にしたいと考えます。
魅力
先にも書きましたが、映画(映画だけでなく小説、演劇など)というモノは「体験」であると思います。
制作者が仕掛けた様々な罠を観客は体験し、何かが反応を起こし自分の人生の一部にしていく。
そのようなモノが創作できたら、なんと素晴らしいことではないだろうか!ということなのです。
また、現場も一種独特で、大変魅力的です。
映画の制作に携わるスタッフは、原則として皆フリーの人間ばかりです。
また、この人間たちはほぼ初めて集まったりするものです。
しかし、こうして初めて集まったメンバーが、なにか一つの命ある生き物のようになって、一人一人の力量を超えた思いもかけぬ仕事を成し遂げてしまうところに映画の魅力(魔力?)というものあるように思います。